【実践】ぶら下がる/肩甲骨を柔らかく保つ習慣
「ぶら下がる」
極力、シンプルに1個の習慣でカバーできるように「習慣化」をおススメをしてきました。
最後、上半身のメンテナンスにあたっては、ぶら下がるところがあるならば、「ぶら下がる」習慣がオススメです。
樹上生活でぶら下がりながら生活してきた先祖をもつはずの私たちですが、今や「ぶら下がる」ということはほぼありません。
最近、何かにぶら下がりましたか??
実は「ぶら下がる」だけで上半身のケア+αの効用があるようなのです(後述の【座学】参照)
ということで、まずは「ぶら下がる」の実践について。
★肩幅の幅でバーを握って、1分間ぶら下がる
私からお伝えしたい注意点は、ぶら下がる際に「肩を締める」ということ。
何度かご紹介してきました「プリズナー・トレーニング」の指南なのですが、納得できる経験をしていますので、ぜひお伝えさせてください。
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・肩はボールとソケットが結合したような構造になっていて、汎用性が高いものの、連結部がもろいという特徴がある。
・バーにぶら下がった状態で肩をリラックスさせると、上腕骨の先端にある「ボール」関節が、肩にある「ソケット」関節内で伸び、融通が利かない「靭帯」がそれを支えることになり、靭帯の痛みや、場合によっては肩の脱臼や亜脱臼につながる。
・肩を「締める」と、筋肉が密集した部位に肩関節が抱え込まれ、肩内部の靭帯も保護され、脱臼する可能性がほとんどなくなる。
*「プリズナー・トレーニング」(ポール・ウェイド/山田雅久訳)CCCメディアハウスより
「肩を締めることは目立つ動きではなく、外からはほとんどわからない。肩のソケットを下に3~5㎝引くだけでいい。広背筋を収縮させることで簡単に行える」とのこと。
「ぶら~ん」とぶら下がるのではなく、ちょっと肩を引き上げる。背中の筋肉で体をちょっと上に持ち上げるような感覚です。
私の「納得できる経験」というのは、重いダンベルを持ってワークアウトをする際に、手首を締めず「だら~ん」とさせたまま重さに「耐えて」持ち続け、手首を痛めたこと。
まさに、同じことだと思います。実際には、無理した重さだったので手首が締められなかったのですが(^^;)
「締めて関節への負担をかけない」ことはとても大事!
そして。
気持ちいい程度にぶら下がることから始め、徐々に30秒、1分と時間を延ばしていくとよいと思います。
なぜなら、1分間ぶらさがるのはなかなかの至難だからです。
ネックは、握力。
大して強く握る機会がないような日常生活の今、全体重を握力で支えるなんて!
徐々に長くぶら下がれるようになりますからね、焦らず、気持ちよくぶら下がってください(*^^*)
そのうち、ぶら下がったまま足などを上げてみると「ハンギングレッグレイズ」!
※【カラダ習慣化2】カラダの『芯』をつくる「『プランク』習慣」でご紹介した「プリズナートレーニング」が推奨している腹筋トレーニングです。
カラダを持ち上げてみれば「懸垂」! 背筋のトレーニングができちゃいます(*^^*)
完全にぶら下がらがらず、足をつけてでもストレッチ効果があり、またさらに動きを加えてストレッチ効果をあげることもできるとのこと。
この記事の主な情報ソースです、ご参照ください。
↓↓↓我が家のチンニングスタンドです。
チューブ、TRX(※)をブラ下げて、ストレッチや自重トレーニングもできるようにしています。やっぱりかさばりますけどね(^^;)、使えば宝です!
↓↓↓コレです。組み立てるのはけっこうたいへんでした・・・
簡易的なバーも評判がよいようです。
(※)TRX(TRXサスペンショントレーニング)
米海軍特殊部隊が考案した自重エクササイズ方法。我が家のチンニングスタンドにぶら下がっている、先に足や手をひっかけられるような輪がある黄色い紐(TRXサスペンショントレーナー)を使って、初心者からプロアスリートまで、さまざまな目的や強度でエクササイズができるというもの。TRXサスペンショントレーナーは頑丈なところであればどこにでも設置できる、持ち歩きができるもの。最近、ジムにはだいたい設置されていますし、出張などどこにでも持って行けることも人気のようです。
サスペンショントレーニング®とは | TRX® Training Japan | TRX® トレーニングジャパン 公式サイト
(ぶら下がれないなら)肩甲骨のストレッチを加える
ご自宅でぶら下がる習慣化が難しい場合、ジムや公園などでぶら下がるところがあったら、積極的にぶら下がっていただくこととして、笑。
肩甲骨ケアも「習慣化」をしたいので、自宅では「肩甲骨ストレッチ」を「プランク」「足裏筋トレ」「スロースクワット」「360度開脚」の習慣に上乗せしましょう。
下半身のケアを優先的に「習慣化」してきましたが、上半身、特に肩甲骨も日常生活ではなかなか動かさない箇所なんですよね。
日常的に腕の上げ下げをすることって、ありますか?
3分ストレッチを加えれば、かなり効果を実感できるはずです。
3分が長ければ、「腕を上げる」という行為を含んだストレッチを1個選び、加えてくださいね。
「肩甲骨 ストレッチ」で検索するといろいろ動画もでてきます。とっても便利ですね! ご参照まで。
【肩甲骨はがし】3分ストレッチ 天使の羽を生やそう! - YouTube
「ストレッチ」にしっかりと取り組んでいきたいなら、以下の書籍が参考になります。
この書籍で理論的なことを理解して、動画でやり方を検索していくと、効果的にストレッチを習得できると思います。
↓↓↓NHK筋肉体操の谷本道哉先生と、スロートレーニング提唱の石井直方先生の本
ストレッチをやってくれる「ドクターストレッチ」という店舗もありますね。
私も試しましたが、「カラダを伸ばす」というアプローチを一度教えてもらうのも、とてもよいと思います。日常でのアドバイスもくれますよ。
ストレッチ専門店 Dr.stretch | ストレッチ専門店 Dr.stretch
【座学】ぶら下がるメリット/カラダのコアをほぐす
ぶら下がるメリット
「ぶら下がるだけで」腰痛予防、肩こり・猫背の改善、握力強化の効果があるそうですよ。
先に添付しました以下の記事をご覧いただいた方は、ほぼ重複していますので、読み飛ばしていただいて大丈夫です。
★腰痛予防
ふだんは体重によって「縮む」方向にばかり圧がかかっている『背骨』が、ぶら下がることで上下の「伸び」が生じる。
これにより、背骨の柔軟性の回復が期待できる。
柔軟性が回復すれば、「椎間板」がつぶれるといった椎間板の変性も起こりにくくなる。
★肩こり、猫背の改善
背骨だけでなく、筋肉を伸ばすこともできる。
特に、姿勢矯正に重要な「広背筋」(猫背の人はたいてい腕(肩)が内側に入っているが、この原因の一つが「広背筋」の短縮とのこと)、特に脇の下よく伸び、猫背矯正の重要なアプローチになる。
また肩甲骨周りの筋肉もよく伸びるため、肩こりの予防改善も期待できる。
★握力強化
今、様々な病気による死亡リスクと『握力』に強い関係があることがわかってきたそうで、注目されているようです(「ガッテン」(NHK)より)。
ただし、「握力を強化すれば死亡リスクが減る」というお話ではなく、「握力」はカラダ全体の筋肉の量を示す指標となるというお話でした。
※「握力」補足
「ガッテン」(NHK)ネタですが、話題にでましたので、ご参考までにご紹介です。
✔福岡県久山町(ひさやままち)は、59年間にわたって町をあげて住民の詳細な健診と体力測定を続け、膨大なデータを蓄積してきた有名な「久山研究」の地。この研究で『握力が弱い人たちは、平均値の人たちより、脳卒中・心筋梗塞をはじめ、様々な病気による死亡リスクが高くなっている』ことが着目されている。
✔指を握るために使う筋肉は非常に細い筋肉ばかりであるため、「握力」そのものを鍛えようとしても効果が出にくいとされている。
✔スクワットなど、全身の大きな筋肉を継続して動かすと、体内で筋肉を合成する物質がつくられる(特に「IGF-Ⅰ(アイジーエフ・ワン)。この物質が血液にのって全身に運ばれると、筋肉をどんどん作ってくれることがわかっている。このような物質がたくさん出ていれば握力もアップする。逆に、このような物質がなく「握力」だけ鍛えても、握力はあがらない。
✔つまり、「握力があるかどうか」は、カラダに筋肉を合成する物質があり、カラダに筋肉がつくられやすい状態になっているかどうかのめやす。「握力」は、カラダ全体の筋肉量を反映すると考えられる。
✔筋肉は、手や足意外にも、呼吸に関係する呼吸筋、心臓を動かす心筋、胃や腸を動かす筋肉、血管一本一本・・・これらの筋肉量が、生活習慣病をはじめとする様々な病気のリスクを予測することにつながっているのではないかと考えられている。
私たちは、既にスロースクワットの習慣がありますから、体内で筋肉を合成する物質がある?! ぶら下がれば握力強化できそうですね!笑。
カラダのコアをほぐす
上半身も含めて、ちょっと全体的なお話です。
筋トレが、長寿時代に必須であることが声高に言われるわけですが。
筋トレは筋肉を収縮させ、筋肥大を狙います。
そして筋肉は、このように収縮させ、成長させる(筋肥大)と同等以上に、柔らかく、伸びるように保つ必要があります。
筋肉を収縮させたままにしておくと、関節の動く幅(可動域)が狭くなり、けがをしやすくなるからです。
ということで、筋トレはその前後のストレッチと1セット。
一方、筋肉を動かさずにいたり、同じ姿勢を取り続けたりして疲労がたまると、これまた硬くこわばります。
カラダが硬くなると、筋肉が収縮・弛緩して血液を送り出す「筋ポンプ作用」がスムーズに働かず、血液循環が悪い状態に。
血流が滞ると、血管から滲み出る水分や疲労物質である「乳酸」の蓄積などの影響で、周辺組織がどんどん硬くなるという、悪循環に。
これらの結果、肩こり、腰痛、冷えなどのトラブルが続発するのだそうです。
ストレッチは、その場で柔軟性が向上させるわけですが、継続することで「伸びやすい筋肉」へ、本質的に変化させることができるそうですよ。
つまり、どのような場合でもストレッチで筋肉を柔らかく、伸びるようにしておくことが大切なのですね。
改めてのご紹介になりますが、ストレッチをしっかりやっていこうと思ったら、以下の書籍がおすすめです。
読むだけで理解する、というところに限界はあるのですが、カラダの使い方が丁寧に書かれています。
本書で「ストレッチ3つの効果」とされているのが、以下です。
★柔らかいカラダになる
筋肉の柔軟性アップ、関節の可動域が拡大。スポーツパフォーマンス向上、日常の動作がスムーズに。
★快適なカラダになる
筋肉のこわばりがほぐれる。血液循環が良くなり、コリや冷え性などの不調が解消。カラダのコンディションが高まる。
★心身ともにリラックス!
ストレッチ自体が気持ちがいいものなので、精神的なリラックス効果が得られ、安眠を導くという報告もある。
そして、「伸びやすいカラダ」に変える1stステップとして『カラダのコア』を動かし、芯からほぐすことが示されています。
コアとは、英語のcore(中心・核・芯)で、カラダの中心部分を意味。
ご紹介した書籍で示す「コア」は、「肩甲骨(肩の後ろ側にある肩自体を動かす時に動く大きな骨)」「体幹(背骨がつらなる「脊柱」と、それを下から支える「骨盤」)」「股関節(足のつけ根。歩いたり走ったるする際の、足の動作のおおもと)」。
ここを柔らかく保ち、腕を動かすときは「肩甲骨」から動かす。姿勢を始め、「体幹」を中心にしてすべての動きを連動させる。歩いたり走ったりするときは「股関節」から動かす。
「10のカラダ習慣化」では、ここで「肩甲骨」のケアを入れていただくと、ざっくりこのコア3つの柔軟性を保つ習慣をおさえられます。
まとめ
✔「カラダ習慣化10」最後の習慣は、上半身のケア。「ぶら下がる」ことができれば、上半身のケアをフルカバーできる
✔「ぶら下がる」メリットは、腰痛予防、肩こり・猫背の改善、握力強化
✔「ぶら下がる」時間のめやすは1分。ただし、握力がネックになるので気持ちいい伸ばし時間から、徐々に時間を伸ばしていくのがおススメ
✔ぶら下がる際には「肩を締める」。だら~んと関節を伸ばしっぱなしにすると「靭帯」を痛める要因に。
✔「ぶら下がる」のがハードな場合は、足をつけて上半身をストレッチする方法もあり
✔「ぶら下がる」ことができない場合は、「肩甲骨ストレッチ」を加える
✔カラダが硬くなると、筋肉が収縮・弛緩して血液を送り出す「筋ポンプ作用」がスムーズに動かず、血液循環が悪い状態になり、さらに周辺が硬くなっていくという悪循環に。結果、肩こり、腰痛、冷えなどのトラブルが続発する
✔どのような場合でも筋肉を柔らかく、伸びるようにしておくことが大切であり、ストレッチが有効
✔「伸びやすいカラダ」に変えるためには『カラダのコア』を動かし、芯からほぐすことが有効。コアとは、「肩甲骨」「体幹」「股関節」
✔腕を動かすときは「肩甲骨」から動かし、歩いたり走ったりするときは「股関節」から動かす。姿勢をはじめ、すべての動きは「体幹」を中心に動きを連動させる
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「カラダ習慣化10」、いかがでしたでしょうか?
すっかり習慣化して余裕がでてきたら、ストレッチを増やす、ラン(走る)を増やす、ジムデビューするなど、いろいろ楽しんでくださいね!
あるいは、やはり忙しくて時間のやりくりが難しいなら、最低限の時間で最も効果があるものを選択して、継続する・・・
50歳から、さらに30年超ですからね、長く長~く、カラダを長持ちできますように(^_-)-☆
続いては、「食習慣化10」です。引き続き、よろしくお願いいたします(*^^*)
↓↓↓『超健康リメイク』全習慣化のアウトラインはこちら
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